それは、奈良県桜井市にある大神神社。大神と書いてオオミワと読みます。『日本書紀』にも記される、わが国最古の神社と言われます。

社の神様は大物主大神(おおものぬしのおおかみ)で、三輪山の山の主。この神社ではなぜ、たまごを供えるのでしょう?


三輪山のミは"巳"、つまり三輪山の主である大物主大神はヘビの姿をした神様とされ、親しみを込めて「巳さん」と呼ばれています。お参りする人々は、「巳さん」の好物であるとして、たまごを境内の各所にお供えし、五穀豊饒、家族の健康や多幸などをお祈りするということです。


大神神社にはもう一つ、信仰を集めていることがあります。

酒造りです。大神神社の神木である杉には霊威が宿ると信じられ、毎年11月14日の酒祭りの前日、拝殿と祈祷殿に吊されている大杉玉が新しく青々としたものに替えられます。

酒豪の人をうわばみと呼びますが、うわばみには巨大なヘビという意味も。大神神社の「巳(み)さん」こそ、全国のうわばみのおおもとかもしれません。

でも、この「巳(み)さん」、どれだけの大きさなのでしょうか。そして、どれだけの数のたまごがお供えされるのでしょうか。ちょっと気になりますね。