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アンチエイジング
米井嘉一プロフィール

慶応義塾大学医学部卒業。日本鋼管病院内科長・人間ドック脳ドック室部長を経て、現在日本初の抗加齢医学講座である同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授。2000年、総合病院では初めてとなる「アンチエイジング(老化度判定)ドック」を開設。抗加齢医学の伝道師として活動中。
おもな著書に、「抗加齢医学入門」(慶應義塾大学出版会)・「アンチエイジングのすすめ」(新潮社)ほか。

前回のインタビューでは“アンチエイジングとは何か?”ということについて米井教授にわかりやすくお話いただきました。第2回のインタビューでは、私ども日本農産工業が深く携わる“食”と“アンチエイジング”との関わりについて、お話を伺いたいと思います。

アンチエイジングとは何か?

“アンチエイジング”の第一人者 同志社大学アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授にお話を伺いました。

最近では、都内のホテルなどでアンチエイジングメニューを提供するフェアが行なわれるなど、アンチエイジングと食の部分についてスポットライトがあたってきてるように思いますが、いかがですか?

「まず、皆さんにお話したいのですが、人間が健康に楽しく生きていくための基本的条件として欠かせないものは、きれいな空気、水それに食事です。健康長寿を達成することが“アンチエイジング”の目標ですから、当然食事は重要な鍵となってきます。また、今まで比較的外面的な部分に注目が集まっていたものが、内面的な部分や生活習慣という部分が注目されるようになってきたという点では良いことですね。」

「ただ、メニューをお話する前に、皆さんに知っておいていただきたいことがあります。」

と米井教授は語る。それは何でしょうか?

「それは“旬のものを食べる”、“よく噛んで食べる”、“食べる順番を考える”の3つです。」

是非詳しく伺いたいと思います。まずは、“旬のものを食べる”からお願いします。

「最近は温室栽培、冷凍保存、養殖技術など食材に関する様々なテクニックが発達したおかげで一年中色々な野菜や魚が食べられる世の中になりました。便利といえば便利ですが、なんだか季節感が無くなってしまったようで寂しいような気もしますよね。」

確かにそうですね。季節感を感じながら食べることが“アンチエイジング”にとって大切なことなのですか?

「もちろんそれもありますが、実は同じ色や形に見える野菜でも、旬のものと季節外れのものとでは、含まれる栄養分が違うことがわかってきました。女子栄養大学 辻村 卓教授は、市販の野菜を一種類ごとに一年間にわたり毎月栄養素を調査しました。その結果、通年流通の野菜でも旬の時期はたかだか3ヶ月であり、旬の時期の野菜の栄養価は充分高いのですが、季節はずれのものは栄養価が半分以下になってしまうことがあるとのデータを得ることができました。」

半分以下って同じ種類の野菜なのに随分違うんですね。

「例えばブロッコリーのカルシウム・カロテン・ビタミンCは12月から2月に豊富で、6月から9月は最も乏しくなります。ほうれん草の水分量は年間通じて一定ですが、カロテン・ビタミンCは12月から3月に高く6月から9月に低くなります。反対に、ニンジンのカロテンは6月から9月に、トマトのビタミンCは6月から10月に高くなります。」

なぜそのような違いが出てくるのでしょう?

「夏野菜では、温度が高い時期のほうが色づきがよく、ビタミン量が豊富です。冬野菜を夏向けに育てると、春に花が早く咲きすぎ、夏の暑さにまいりやすく、生育が弱くなります。栽培法によっても差がでます。早く育てた野菜や生育が早い品種は、葉の色も薄く、ビタミン・ミネラルの含有量も少なめです。保温のためのビニールハウスではビニールにより紫外線が遮断されて光量不足になることがあります。つまり夏野菜は夏に、冬野菜は冬に栄養価が高くなり、気候や土地に合わせて育成した方が良いということですね。」

なるほど。今後野菜を買うときに十分に参考にします。

「いえいえ、野菜だけではありません、魚もそうですね。春の初カツオ、夏のアユ、秋のサンマ、冬の寒ブリやアンコウ・・・。旬の魚も色々です。」 「関西の春は桜とタイが人気あり。鳴門の渦潮にもまれ、桜の前線と時期を合わせるが如く南から北上するタイ。この頃のマダイは脂質含有量が3-6%で調和がとれたすぐれもの。旬のマダイは焼いてよし、刺身・兜煮、鯛茶漬けと何にでも合います。それに暑い夏は土用うなぎ。誰しもうなずくはずです。夏バテで脂切れのからだに良質の脂をちょっと補給、抗酸化ビタミンAとEを豊富に含むので、夏場のフリーラジカル対策にももってこいです。脂溶性のビタミンA・Eはうなぎの脂と一緒に食べると効率よく吸収されます。旬のものは、何から何まで実にうまくできていますね。」

本当ですね。旬の時期に高い栄養価をもつ食べ物を、おいしくいただく。まずはこれが“アンチエイジング”と食事の第一の関わりですね。とてもよくわかりました。あとの“よく噛んで食べる”、“食べる順番を考える”の2つについては、次回お伺いします。お楽しみに。

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