米井嘉一プロフィール
慶応義塾大学医学部卒業。
日本鋼管病院内科長・人間ドック脳ドック室部長を経て、現在日本初の抗加齢医学講座である同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授。2000年、総合病院では初めてとなる「アンチエイジング(老化度判定)ドック」を開設。抗加齢医学の伝道師として活動中。
おもな著書に、「抗加齢医学入門」(慶應義塾大学出版会)・「アンチエイジングのすすめ」(新潮社)ほか。
日本鋼管病院内科長・人間ドック脳ドック室部長を経て、現在日本初の抗加齢医学講座である同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授。2000年、総合病院では初めてとなる「アンチエイジング(老化度判定)ドック」を開設。抗加齢医学の伝道師として活動中。
おもな著書に、「抗加齢医学入門」(慶應義塾大学出版会)・「アンチエイジングのすすめ」(新潮社)ほか。
- 1年間にわたったアンチエイジングについてのインタビューもこれが最後です。最終回は同志社大学生命医科学部・アンチエイジングリサーチセンター教授の米井嘉一先生に再登場していただき、「アンチエイジングの実践」についてお話を伺っていきたいと思います。
- 米井先生、よろしくお願いいたします。
- 「こちらこそよろしくお願いいたします。」
- ここまで、11回にわたり、アンチエイジングについての総論から食事、運動、精神について具体的な方法論にいたるまで、様々なエキスパートにご登場いただき、インタビューをしてまいりました。そのインタビューを総括するにあたり、大切なことは、常にアンチエイジングを意識し、毎日の生活の中でエキスパートの方々からのアドバイスをいかに実践できるか、がポイントになっているように思います。その辺のことについて米井先生にお話を伺わせてください。
- 「まさにその通りです。まずは自分の老化について弱点を知る。そしてその弱点を是正するために良いことを専門家のアドバイスをもらって、実践する。これがアンチエイジングの王道です。ただし、その"実践する"ことが難しいとおっしゃる方が本当に多いですね。そういった方に私がいつもアドバイスをすることは、「1番良いことができなくても2番目に良いことをしましょう。2番目に良いことができなくても3番目に良いことをしましょう。1番良いことができそうもないからといってあきらめないで下さい。三日坊主でもいいじゃないですか。まずははじめましょう!」ということです。」
- そのように言っていただけると実践する方とすれば、とても気が楽になりますね。とかく職場の健診などでは、あれをやんなさい、これはしちゃダメですと言われ、その場はハイハイと聞くのですが、実践となると「どうせできないからいいや」になってしまいがちです。
- 「そこが一番の問題です。私は産業医が専業ではありませんが、産業医としていくつかの事業所の健康管理に関与した経験があります。検診で指摘された異常項目に対する対応は企業や事業所によりまちまちです。異常を指摘された者に対し適切に指導するのは優等生ですが、指摘されっぱなしで毎年同じ顔ぶれが指導対象となっているところが多いですね。そこで、先ほどの「1番目に良いことができそうも・・・」というアドバイスをするわけです。あとは、指導する方もできるだけその人のライフスタイルにあった指導ができることが理想ですね。ですから、いろいろな事業所に、健診時に是非アンチエイジング的なチェックをしましょう!と呼びかけています。弱点が同じ方々を集めて一括指導すれば、かなり産業医、保健師さんの負担も軽減されると思うからです。」
- 「それから私たち医療従事者の役目として、あの手この手で叱咤激励する。努力してきたことに対し評価をする、褒めてあげる。できなかったことに対して「次がんばろうね」と声をかける。これをやっていけば成果は必ずあがります。」
- 確かに健診時に自分の老化の弱点がわかると嬉しいですし、生活習慣を是正することを考える際も、アンチエイジングを目指す!という方が前向きに捉えられそうですね。
- 「それともう一つ。生活習慣を是正していく際は家族の協力が必要です。特に食事については、その家庭で食事を作る人の協力がないとなかなかうまくいきません。例えば、今の時期のような暑い季節は、自分で選択する昼食などは普段よりもさっぱりした食事が多くなります。たとえば、そうめんやざるそばだけでいいやというような。そうなるとアンチエイジングにおいて大切なタンパク質の摂取量が相対的に減ってしまいます。ですから、朝ごはんや晩ごはんの際に、しっかりタンパク質が取れるように卵や大豆、豚肉などの料理を作ってあげるというようなことですね。」
- 特に今年の夏は暑かったですから、そういった工夫が必要ですね。夏場は確かにさっぱりした食事を選択しがちですので、知らず知らずのうちにタンパク質が不足してしまいそうです。急いでいる朝でも簡単で素早く調理できる卵のようなもので、手軽にタンパク質を補充できるといいですね。アンチエイジングに必要な栄養や成分が知らず知らずのうちにきちんと摂れているというのは本当に理想です。
- 「そうですよ。特にこの時期は朝ご飯をきちんと食べるということは夏バテ対策にもなります。」
- 米井先生、最後にこれをご覧になっている読者の方に一言お願いできますか?
- 「はい、ここまでお話してきたように、"これさえやればアンチエイジング"というものはありません。日本農産工業さんのように、長い年月をかけて様々な角度から研究を重ね、その成果をきちんと学会発表や論文にして、多くの方にそれを見てもらおうという企業さんがある一方で、きちんとしたデータも取得せず、あたかも効果のありそうなうたい文句で商品やサービスを販売している企業もあります。皆さんには正しいアンチエイジングの知識を知るかしこい消費者になっていただき、本当に自分に必要なものは何なのかをきちんと選択していただきたいですね。」
- 米井先生本当にありがとうございました。また、このインタビューにご協力いただきました、中沢るみさん、望月俊男先生、あめのもりようこ先生にも厚く御礼申し上げます。みなさん、先生方のアドバイスを参考にして、「アンチエイジングライフ」を楽しみましょう。




