| ― 薬理と治療(Jpn
Pharmacol Ther.)22,29-33(1994)
ヨード卵の、血糖値の変化に及ぼす影響を調べた。実験には、*インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)を起こす物質を投与したラットを用い、ヨード卵をそれぞれ、(1)群:糖尿病発症2週間前から、(2)群:糖尿病発症と同時に、(3)群:糖尿病発症2週間後から、与えてそれぞれの血糖値を測定した。
その結果、(1)群、(2)群では血糖値が低下した。従って、ヨード卵にはNIDDMにおいて血糖値を低下させる効果があり、この効果を期待するには少なくとも2週間のヨード卵摂取が必要とされることが示唆された。この実験から、ヨード卵の糖尿病に対する効果は、糖尿病予備軍と考えられる*糖負荷試験において高血糖を示すような患者に対して有効であろうと考えられる。
*インスリン非依存型糖尿病( NIDDM,noninsulin dependent diabetsmellitus(・型糖尿病))
糖尿病とは、血糖値を正常域に維持するホルモン:インスリンの作用不足に基づく代謝性疾患であり、その治療上、インスリンを必須とするか否かによりインスリン依存型糖尿病:IDDM(・型糖尿病)及びインスリン非依存型糖尿病:NIDDM(・型糖尿病)に分けられる。
NIDDMはインスリンの働きが何らかの理由で不十分な場合に見られ、多くは成人に発症し、特に日本においては糖尿病患者の95〜97%を占めている。遺伝的背景に加えて、肥満、過食、運動不足のような生活習慣に基づく悪条件が誘因となって発症するとされ、高血糖により昏睡、網膜症、腎症、神経症などを引き起こすことが知られている。治療としては、主に食事療法、運動療法が選択される。
*糖負荷試験( GTT,glucose tolerance test )
血糖の変動を検査するもの。経口あるいは静脈内へ糖投与した際、糖尿病において「正常範囲を越える血糖の上昇、かつ上昇した血糖値の正常値への降下が遅れる」という特徴的な血糖変動を示すことから、糖尿病の診断や病状の把握に用いられている試験。この糖負荷試験による高血糖を抑制する、血糖値上昇を正常レベルに留める能力を耐糖能とする。 |